私が2人に向かって歩き出すと、背中越しに、アイカちゃんの頑張れ!という声が聞こえた。


「…ね、ねぇライトくん。私自分の仕事終わったからさ、他にやらないといけない仕事とか、ある?」


 私は恐る恐る声をかけた。


「えーっと…じゃあ、」


「早川さ〜ん、仕事あるよ?えっとね〜、トラックの白い線、塗り直して?」


 せっかくライトくんが私に話そうとしてくれてたのに、それを阻むようにして西条さんが話し始めた。


「おい、西条…」


「…あっ、わ、わかった」


 私はそう言うことしか出来なかった。


 そして西条さんは他の友達に呼ばれて、どこかへ行ってしまった。


「…サキ、こっち来て」


「…っえ?」


 ライトくんは私の片腕を掴むと、どこかを目指して大股で歩き始めた。


 驚きで目を見開きながらも、小走りで着いて行く。


 腕を引かれる間も、嬉しさは隠せなかった。