…え?私はSunniesに入っていないのかって?


 当たり前じゃん。私はただの平凡な人間。ただライトくんの幼なじみだから、このグループで仲良くしてもらってるだけ。


「よし、じゃあ行くか!」


 ライトくんのかけ声で、私たちは一緒に歩き出す。


 私たちはさっきまで靴箱にいたので、教室まで移動するのだ。


「カズマー!おはよう!」
 

「アイカ、おはよ!」


 靴箱から教室までの短い間、カズマくんとアイカちゃんはいろいろな人に声をかけられていた。…もちろん、この人も例外ではない。


「ライトー!今度遊びに行こーぜ」


「あぁそうだな!遊び行こう!」


「ライト、今日放課後空いてる?」


「ごめん!ちょっと用事!」


 男子からも女子からも、カズマくんとアイカちゃん以上に声をかけられていた。


 ライトくんは、本当に、人気者という言葉がぴったりな男の子。


 …そして私は、そんなライトくんが、ずっと好き。


 学校の人気者に、私みたいな平凡な地味子が恋するなんて、前途多難過ぎるし身の程知らずだとは思う。


 でも、好きになったものは仕方ないよね。


「…サキ?どうした、俺の顔に何かついてるか?」


 ライトくんの顔を見つめていると、彼にそう言われた。


 …ついてるのは、整った目と鼻と口だよ。どこまで私を好きにさせたら気が済むの。


 でもそんなこと言えなくて、


「…なんでもない」


 と、無愛想に言ってしまった。


「そう?ならいいけど」


 あぁ、もう。私はいつもこう。


 ライトくんに対しては緊張からか、いつも少しキツい態度をとってしまう。


 そのせいで私とライトくんの間には、気まずい空気が流れて、教室まで一言も喋らなかった。