「…アイカちゃん」


「…サキ、遅かったね」


 なんか、アイカちゃんいつもと雰囲気違う。


「さっきさ、カズマくんに聞かれたんだけど、『私に悪いから』ってどういうことなの?」


 私の言葉にびっくりしたのか、アイカちゃんは目を見開いて私を見て、それから少し下に逸らした。


「…サキはさ、私のことどう思ってる?」


 え、どうしたの、急に。


「アイカちゃんは私の友達だよ」


「ウソ。私のこと、友達とか思ってないんでしょ?」


 え?


「友達だよ!」


「じゃあなんで言ってくれないの!?…サキは、私にちゃんと言ってくれるって思ってた。でも、サキは言ってくれなかった!」


「…え、ちょ、アイカちゃん何言って」


「もういいよ!」


「っ、アイカちゃん!」

 
 アイカちゃんは走って行ってしまった。


「え、アイカ?…サキ、アイカと喧嘩したのか?」


 ライトくんがちょうど購買から帰ってきて、私にそう言った。


 私はライトくんにも何も言えず、ただ呆然と立ち尽くしていた。