「でさ、日曜日どこ行ったらいいと思う?」


「そうだねー。あ、カズマくんはアイカちゃんと2人で出かけたことあるの?」


 朝の7時過ぎ。私とカズマくんは並んで登校していた。


 今はカズマくんの恋愛相談中。


「いや、友達何人かでしかないな」


「そっかぁ…じゃあ普通にカフェとかは?」


「…なにを話したらいいかわからない」


 いや、そこを頑張るんでしょ?てか、人見知りかっ!


 日曜日まであと4日。それまでにプランを考えなきゃ。


 カズマくんと、アイカちゃんのことについてたくさん話していると、いつの間にか学校に着いていた。


 校舎に入ると、向こうからアイカちゃんが歩いて来た。


「あっ!お、おはよう、サキ、カズマ」


 ん?なんかぎこちない?


「おはよう!…アイカちゃん、なにかあった?」


「い、いいいいや?な、なにも…!」


 と言って、廊下の角に走って消えていった。


「アイカちゃんどうしたんだろう…」


「俺ら、なにかしたかな…」


 私以上にカズマくんが動揺している。


 そうだよね、好きな子が自分に対しておかしかったら心配になるよね。


「ま、まぁ多分大丈夫だよ!早くプラン練よう?」


 早くしないと当日になっちゃう。


「…あぁ…そうだな」


 と言うカズマくんの目は、まだアイカちゃんの消えた角に向いていた。