「何の目的でこの家に侵入したの？」

「このお屋敷のセキュリティって、とても頑丈だったと思うけど……」

ギルベルトが訊ね、チェルシーが不思議そうな顔をする。チェルシーの言う通り、屋敷は貴重な骨董品などが置かれていることもあり、厳重に警備されている。イヅナたちが自由に行き来できるのは、アレス騎士団のバッジがあるからなのだ。バッジがなければ、屋敷に入れてはもらえない。

「泥棒？でも泥棒だったらこんな昼間に侵入しないよね？」

「泥棒じゃなくても、不法侵入罪は適用されるだろ」

アレンが首を傾げ、その隣でチターゼがエマと名乗る女性に対して警戒した目で剣を向ける。

「確かに、不法侵入者を警戒するに越したことはないね」

「イヅナ、絶対俺たちの後ろにいろよ」

ヴィンセントとレオナードがイヅナの前に立つ。エマは目を輝かせ、「予言で見た通りの人たちだぁ〜」と言う。

「予言？」

オカルトチックな言葉が出てきたことに、イヅナは思わず口にしていた。アレス騎士団の団長、三大戦闘員、そして実力のある戦闘員たちに囲まれる中、エマは言う。

「詳しいことはあとで説明します！とりあえず一緒に来てください！」

次の瞬間、イヅナたちの目の前が白い光に包まれた。