イヅナの足にも鎖が巻き付けられている。頑丈なそれは取れる気配はなく、二人は「どうしようか」と考え始めた。
「私の薙刀と、風音の扇子は取られているのね」
「うん。あれがないと、正直逃げ切れるかどうかは……」
風音とイヅナが話していると、コツコツと足音が響く。咄嗟に風音はイヅナの前に立ち、檻の外に立つ人物を睨む。大勢の妖を引き連れてやって来たのは、ペルトだった。
「気が付いたか」
冷たい声で言われ、「最悪な目覚めだね」と風音は返す。妖たちが後ろで笑っていることに苛立ち、舌打ちをする。警戒していれば避けられた事態だというのに、易々と捕まってしまったことを恨む。できれば、時間を巻き戻してしまいたいほどだ。
「お前たち二人は人質だ。変な真似はするなよ」
ペルトはそれだけ言い、背を向けて去っていく。その背中に向かって舌を突き出し、風音は「絶対逃げ出してやる!」と言いながらイヅナの方を振り返る。
「さて、いい案がないか考えよっか」
「私の薙刀と、風音の扇子は取られているのね」
「うん。あれがないと、正直逃げ切れるかどうかは……」
風音とイヅナが話していると、コツコツと足音が響く。咄嗟に風音はイヅナの前に立ち、檻の外に立つ人物を睨む。大勢の妖を引き連れてやって来たのは、ペルトだった。
「気が付いたか」
冷たい声で言われ、「最悪な目覚めだね」と風音は返す。妖たちが後ろで笑っていることに苛立ち、舌打ちをする。警戒していれば避けられた事態だというのに、易々と捕まってしまったことを恨む。できれば、時間を巻き戻してしまいたいほどだ。
「お前たち二人は人質だ。変な真似はするなよ」
ペルトはそれだけ言い、背を向けて去っていく。その背中に向かって舌を突き出し、風音は「絶対逃げ出してやる!」と言いながらイヅナの方を振り返る。
「さて、いい案がないか考えよっか」


