シェルターにて大切な仲間の帰りを待っていた真冬たちだったが、何と薬を手に戻ってきたのはムカエルたちだけだった。戸惑う真冬たちに向かって、ムカエルが口を開く。

「申し訳ない。二人はペルトの手下に攫われてしまった」

それを聞いた刹那、颯やギルベルトたちが一斉に立ち上がり、「どういうこと?」と妖や悪霊よりも恐ろしい形相で詰め寄る。真冬の隣で葉月は真っ青な顔をしていた。

「風音……」

真冬は無言で葉月の背中をさする。こういう時に、何と声をかけるべきなのかはっきりとわからず、ただそうするしか思いつかない。

真冬が葉月を慰めている間、ツヤが怒りを露わにしてムカエルの胸ぐらを掴んでいた。

「テメェ、どういうつもりだよ!!危険だってあいつはわかっていただろうが、まだ十五歳だぞ!?お前らが守る義務と責任があるだろうが!!髪の毛全部引っこ抜くぞ、このデブのオカルトジジイ!!」

「ツヤ、それはさすがに失礼すぎるよ。せめてデブかオカルトジジイどっちかにしてあげなよ」