「僕たちも戦おう!」

「ええ!」

風音が扇子を使って風を起こし、イヅナは近付いてきた妖を斬っていく。一体一体はとても弱い。

「教会の近くで戦った妖と同じくらいの強さだわ」

「なら、ペルトの手下ってことか!」

イヅナが薙刀を振り回しながら言うと、風音がニヤリと笑って体が浮いてしまうほどの風を起こす。その風は、まるで刃のように妖を斬っていく。

「すごい……」

イヅナが呟くと、「当然さ!」と風音は笑う。だが次の瞬間、イヅナと風音の足元から床が一瞬にして消える。二人は状況を飲み込まないまま、暗闇に落ちていった。

「イヅナさん!?風音くん!?」

エマたちが叫ぶも、イヅナと風音の姿は、まるで最初からなかったかのように消えていた。二人が消えたと同時に妖たちも消えてしまい、ムカエルたちは顔を真っ青にするしかなかった。