イヅナは立ち上がり、そう言っていた。ムカエルたちは目を輝かせ、レオナードたちは驚く。風音たちは戸惑ったような顔をしていた。

「……危険、しかないぞ?」

真冬がイヅナを真っ直ぐ見る。何故、真冬がそれを言うのかイヅナは何となく察した。戦っている様子を見て、四人はわかったのだろう。イヅナが一番弱いということを……。

「危険だとしても、私はやりたいです。助けを求めた人を見捨てたくありません」

ただ、心にあることを偽りなく口にする。すると、難しそうな顔をしていた風音がニコリと笑って立ち上がった。

「可愛い女の子が覚悟を決めたんだし、僕たちも行動しようよ!」

「そうだね、異世界とは言え妖で困っている人たちがいることに変わりはないしね」

エイモンが頷き、一人ずつ椅子から立ち上がる。ムカエルたちは「ありがとう!!」と涙を浮かべながらお礼を言い、最後のピースがある場所を言う。

隣街の科学研究所に最後のピースが残されている。研究所の職員たちがムカエルたちに過去に協力し、妖たちの力を吸収する薬を開発してくれたそうだ。