「つまり、僕たち四人とアレス騎士団の人たちとムカエル博士たちが住んでいる世界は、それぞれ別の世界。所謂パラレルワールドってやつってことだね」

「へぇ〜、お前頭いいんだな」

「レオナードも見習いなよ」

風音が口を開くとレオナードが感心し、その隣でヴィンセントが揶揄うように言う。レオナードとヴィンセントが軽い言い合いをする中、チターゼが手を挙げた。

「どうやって異世界であるあたしたちの世界に来れたんだ？」

確かにそれは一番の疑問だ。全員がムカエルを見つめると、サミュエルが「博士が開発してくれたこれを使ったっす」と何やら小さな箱のようなものをテーブルの上に置く。

「これは異世界を行き来できる装置。これがあるから君たちを連れて来ることができたんだ」

テッドが言い、ギルベルトが「忌々しい機械だね」とニコリと笑う。その笑顔に風音はゾッとしてしまった。

「でも、どうやってペルトを倒すんですか？あいつからは特別な気配は感じたけど、妖じゃなかった」

アレンがそう言い、アレス騎士団の全員が頷く。妖でなければ彼らは動けない。それは悪霊を相手にしている風音たちも同じだ。