瓦礫の上で風音たちは立ち止まり、沈黙が続く。重い空気の中、葉月が怪我を治した少女が「とりあえず自己紹介をしませんか?」と提案する。

「私は、イヅナ・クリアウォーターです。アレス騎士団に所属する十五歳です。よろしくお願いします」

アレス騎士団など、風音が聞いたことのない組織だ。戸惑った顔で葉月と真冬を見てみるものの、二人もわからないようで首を傾げている。颯も知らないようだ。

「同じくアレス騎士団で十五歳のレオナード・ロマーナで〜す。イヅナとこいつの幼なじみ!」

「イヅナとレオナードの幼なじみ、ヴィンセント・レゴシです。二人と同じ所属で同じ年齢です。……レオナード、重い」

レオナードがヴィンセントの肩に腕を回す。その様子は、まるで戯れあっている犬だ。

「ギルベルト・エーデルシュタイン、二十六歳。アレス騎士団の団長をしています」

「チェルシー・モールバラ、二十二歳です。よろしくお願いします」

「エイモン・ウィーズリーです。二十歳です。よろしくお願いします!」