人々を襲って喰う恐ろしい妖を倒す組織であるアレス騎士団の一員であるイヅナ・クリアウォーターは、幼なじみのレオナード・ロマーナとヴィンセント・レゴシと共に、アレス騎士団団長であるギルベルト・エーデルシュタインの屋敷にいた。ギルベルトに呼び出されたのだ。

「……てっきり、新しい任務の話だと思っていたんですけど……」

困惑顔のヴィンセントの目の前には、サンドイッチやケーキの並んだケーキスタンドが置かれ、紅茶の入ったポットやカップが並んでいる。それを見てイヅナは目を輝かせていた。

「ここ最近は任務続きだったから、僕からのささやかなご褒美だよ。それにイヅナにパティシエの新作ケーキを食べてほしかったからね」

ニコニコと笑うギルベルトに対し、レオナードが「うまいもの食えるんだったらいいじゃん!」と肩に手を置き、複雑そうな顔でヴィンセントは紅茶の入ったカップに口をつける。

「お茶会に誘っていただけて、とっても嬉しいです!」