君は,君は。

今は瑞希の事を好きじゃなくても,付き合ってから好きになることもある。

そう結論付けて,学校へ向かった私は梨々香に話しかけた。



「梨々香って,好きな人いるの?」

「何? 急に」

「別に,ただ。聞いたこと無いなって思って」

「んー。そうだね……唯には話しても良いかな」



それって……まさか



「梨々香,いるの?」

「ん,まぁ」



知らなかった。

なんなら,聞いといてだけど,いないと思ってた。

今の質問は,確認みたいなものだった。



「誰?」

「1組の,佐藤」



えっえ。
え!? なんで
1組って,3組の私たちじゃ遠いし。
そんなに話してるとこ,見たこと無いのに。



「去年同じクラスでさ。そんときのグループLINE残ってて……」