「あ,唯それ読むんだ」

「えっ…うん。まぁ」



私の後ろからうにゅっと顔を覗かせる瑞希。

私は驚きながらも答えた。

瑞希も知ってるのかな?



「俺,アニメみてんよ」

「え! そうなの?」

「うん。俺この人が1番好き」



表紙に乗っているある人物を差す瑞希。

ヒロインの相手役の…友達。

ヒロインやその相手役に助言したり,2人が付き合うまでいろんなイベントを起こしてくれたりする,彼。

ヒロインに惚れてしまう展開は,ない。

さっと私の目の色が変わる。

私は横に移動してきた瑞希の方を体ごと向き,手をパシッとつかんだ。



「そうだよねそうだよね!! 正直ヒロインの相手役より格好いいよね!?」