君は,君は。

「え!? おっおい!」



焦る瑞希の声。

しゃくりあげる,私の声。

私は周りに見られないように,下を向いた。

私のせいで梨々香に誤解されたら可哀想だから。



「……ごめん。強く言い過ぎた」



ポンッと置かれた左手。

思わず涙が止まった。
多分本気で心臓も止まった。



「あー。泣いてる女子に言うことじゃないかもだけど。どうしたらいいか分かんない。困る」



あまりに正直で,その通りすぎる言葉に苦笑。



「うん。ごめんね。あんなこと,言われたこと無かったから。ビックリしちゃったっ」



あっているようで,違うけど。

でも,うざがらないでくれたのは,ほんとにありがとう。



「うっ。そっか。ごめん。」

「うん。もういいよ」



そもそも,瑞希悪くないし。