結果が分かってるから。

自分から終わらせる勇気が持てない。



「え~っ!!! 瑞希好きなやついんの??! 誰,誰!?」



ードックン

心臓が,嫌なおと。

嫌な,汗。

男子トイレから,今。

なんて,言ったの。

聞こえてきたのは,クラスのお調子者代表の声。

男子で,瑞希。

私は,そんな人1人しかしらない。

足を止めて,呼吸も止まる。

停止した頭では,その場から離れることも出来ない。



「おまっ声でか…っ」



焦った瑞希の声が,現実を思わせる。



「金倉……梨々香」



私はひゅっと息を吸った。

かねくら りりか…?

あの,梨々香? 

むり。もう,むり。

伝えるだけでもむりだよ,そんなの。