君は,君は。

私はパッと手で口を押さえる。

危ない。驚いて声をあげるところだった。

え? じゃあなんで??

あ,あれか。友達だって確認したから,声かけやすくなった?

もう。なんでこう的確に傷を刺して来るんだろう。



「あ,んじゃあさ。前いってたの,今週の日曜でおけ?」

「…前,言ってたの?」



なんだろう。
思い出せない。



「ほらっ遊ぶって約束したろ? スマホも忘れんなよ」



あーあれね。
本気なんだ。

そう,だよね。
梨々香の情報がかかってるもんね…



「分かってるよ! 梨々香のこと話せるようにって流れで決まったんだから!」



私ってこんなこと出来たんだなって思うくらい,自然に瑞希をからかえた。