君は,君は。

どっどうしよう…

これ絶対,たとえ他の人にコクられてもOKは出さない。

梨々香がフラれたら分かんないけど,そんなOKの仕方をする梨々香も,OKされる瑞希も見たくない。

それじゃあ困るのに。

なのに相談とか…そんなのどうしたら良いの?



「う…ん。経験無いから,あまり気の利いたこと言えないけど…」



言った後,良心がずきずきと痛む。

梨々香のことが好きな瑞希。
私のあんまり知らない佐藤くんが好きな梨々香。

梨々香に味方するけど……



「唯! ちょっといい?」



ビクッと上下する肩。

み,瑞希。

瑞希が教室の端から呼んでる。

なっなんで今。



「ごっこめん梨々香」

「うん。いっといで?」



梨々香はヒラヒラと手を振った。