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朝、スッキリしないまま家を出た海斗はダラダラと学校までの通学路を歩く。


今日は健が一緒だから通学班には先に行ってもらうように連絡を入れていた。


「あの未来人、まさか自分で今までのことを引き起こしてるんじゃないだろうな」


歩きながら健が突然そんなことを言い出した。


「なんだよ急に」


「だって、あの男ならどんな事件でも解決できる気がしないか?」


「どんな事件でもって」


海斗は呆れてしまった。


あんな夜中にあんなスーツ姿でギフトを届けに来たものだから、健の妄想が炸裂しているようだ。


「小学校で事件を起こしたって、あの男が特をするとは思えないけど」


しかも事件は小さなものばかりだ。


子猫を助けたり、万引を止めたり。