暗黒ギフト1

オロオロと健と海斗を交互に見つめる飯田くん。


海斗は飯田くんに近づき、その肩をポンッと叩いた。


「俺たちは復讐の手を貸したわけじゃない。だけど、この2人には少し痛い目を見ないとわからないと思ったから、来たんだ」


「それと復讐となにが違うのさ?」


「俺たちが助けたのは今回だけだ」


海斗の言葉に飯田くんの顔色がみるみる青くなっていく。


「今回だけってそんな! こんなことしておいて僕を見放すの!?」


これから先どれだけイジメがエスカレートするか考えているのだろう、飯田くんの目には涙が浮かんできていた。


「だったら今ここで、こいつらに言いたいことを言ったほうがいいんじゃねぇの」


健に言われて飯田くんが2人を見下ろす。


2人とも地面に座り、ジッと飯田くんをにらみあげていた。


こんな顔をされれば誰だって恐怖心を抱くかもしれない。