暗黒ギフト1

それでも、飯田くんが必死で2人に反論しようとしているのはわかった。


ただ、2人の威圧的な態度によってそれができなくなってしまっているだけだ。


海斗と健は目を見交わせて頷きあった。


もしも飯田くんがなんの勇気も見せないようであれば、自分たちの出る幕はないと思っていた。


勇気がなければ今ここで飯田くんを助けたとしても、また同じようにイジメられるようになるかもしれない。


それじゃ意味がなかった。


「行こう」


「おう」


健は頷き、2人は植木の陰から勢いよく飛び出した。


大田と秋田の2人が驚いた様子で飯田くんから離れる。


「なんだよお前ら!」


怒鳴ったのは大田だ。


「深谷と西村? なんでここにいるんだよ」


眉を寄せて聞いてきたのは秋田だった。