すると父親の顔はみるみる明るくなっていき「すごいじゃないか!」と箸を置いてまで絶賛してくれた。


海斗は少し恥ずかしくなってうつむき「別に、そこまでじゃないよ」と、小声で返事をした。


「いや、人を助けるなんて大したもんだよ。海斗がいなかったらその子はケガをしていたかもしれないんだからな」


「俺だけじゃないよ、健も一緒に助けたから」


説明すると父親は嬉しそうな表情でうんうんと何度も頷いた。


「いい友達もいるし、本当に良かったな」


なにが良かったのか海斗にはイマイチ理解できなかったけれど、とにかく嬉しそうな両親に合わせて微笑んでおいたのだった。