「あぁ、本当だな」


海斗も同じような状態で、今もまだ夢を見ている気分だった。


昼休みの時にはぼーっとしていると怒られたけれど、カナエちゃんを助けて本当によかった。


「これで大人たちは俺達のことを見直すんじゃないか?」


そう言われて、海斗は両親に嘘つき呼ばわりされたことを思い出してしまった。


あの時もう二度と大人には頼らないと決めたのだ。


「たぶんな。でも大人に相談するのはやめとこう」


海斗は昨日の夜の出来事を説明して聞かせた


健はさも深刻な話だという様子で何度も頷きながら話を聞いてくれた。


「大人はいつだってそうだよ。自分たちに理解できないことがおきたら、子供の嘘だって決めつける」


海斗は大きく頷いた。


思い返してみれば今までだって似たようなことがあったかもしれない。


子供の話をきかずに頭から否定する。


「暗黒ギフトは俺たちだけの秘密だ。絶対に誰にも言わないことにしよう」


ふと思いついたように健が言った。


「暗黒ギフトって、あの箱のことか?」


「あぁ。アニメに出てくるのは暗黒レター。こっちは箱で届くからギフトだ」


安直だと思ったけれど、悪くない。


海斗は口の中で暗黒フギトとつぶやいた。