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通学班はすでに学校へ向かってしまっていたけれど、ギリギリ遅刻せずに教室に滑り込むことができた。


5年3組の教室へ駆け込んだ海斗は「ふぅ~」と、大きく息を吐き出す。


朝から全力で走ってここまで来たから、全身汗だくだ。


せっかく食べたおにぎりの分は早くも消費してしまった。


席についたタイミングでホームルーム開始を知らせるチャイムが鳴り始めて、海斗はランドセルを机の横に引っ掛けて、あの箱の存在はそのまま忘れてしまったのだった。