そこには黒い小箱が置かれていて首をかしげる。


手にとって見るととても軽くて、表面には白いペンで深谷海斗様へと書かれている。


「なんだこれ」


ゴクリとおにぎりを飲み込み、眉を寄せて箱を見つめる。


どこを確認してみても差出人の名前は書かれていなかった。


通常荷物をおくる時に必要な送り状も貼り付けられておらず、海斗の名前は箱に直接書かれている。


「っと、そんなことしてる場合じゃなかった!」


海斗はその箱をランドセルに放り込むと、大慌てで学校へ向かったのだった。