「今回みたいに大人の手が必要なときに、あの人に相談するとかアリ?」


そう質問すると梓は驚いたように目を見開いた後、笑顔で頷いた。


「もちろん。うちの執事は優秀だから、いくらでも使ってやって」


梓に言われて男は少しだけ身じろぎをした。


大人も友人も海斗たちの言葉を信じてくれなかった。


誰も耳をかしてくれなかった。


けれど、梓の執事ならすべての事情を知っている。


説明だってする必要なく信じてくれるのは大きな存在になるだろう。


それから海斗と健は梓に向き直った。


「事情はすべてわかったよ。これからも今まで通り、予言の手紙を送ってくれる?」


海斗の言葉に梓は一瞬絶句してしまった。


まさかあのとんでもないギフトを継続してほしいと言われるなんて、想像もしていなかった。