「うん。一応ね」


梓は面倒くさそうに返事をする。


体のためになにかを我慢するなんてダルイ。


そんな印象を残すためだ。


「そっか。じゃあ見ててね、私点数入れるから!」


「うん。頑張って!」


友人がバスケットコートへと走り出ていく姿を見て、梓はホッと胸をなでおろした。


なんでもないフリをしているけれど、実は今朝から体の調子がおかしかった。


久しぶりに学校を休もうかとも考えたのだけれど、せっかく仲間ができて楽しい毎日を送っているのにもったいないと思ってしまった。


でもやっぱり、体の調子はおかしかった。


少し歩くだけで息切れがするし全体的に重たい。


これ以上は無理かもしれない。


総判断した梓はそっと体育館を後にしたのだった。