暗黒ギフト1

確かに昨日掃除当番で、体調もよかったから最後まで残っていた。


だけど普段は色々を融通をきかせてもらって、休んでばかりだ。


「え、うん。昨日はそうだったけど……」


「なら、秋吉さんにも謝って」


他の女子生徒がキツイ口調で言った。


転校生が梓の前まで引っ張り出されてくる。


その顔は涙でぐちゃぐちゃに濡れていて梓の胸は傷んだ。


ここまで弱っているんだからもう許してあげたら?


そんな言葉が喉まででかかる。


だけどなにも言えなかった。


これだけの人数を敵に回してしまったらどうなるか、見ていたからわかっていた。


それに今まで友人がおらず一人ぼっちだった梓は寂しかった。


みんなと一緒に遊びたかった。


「ほら、膝をついて謝って」


クラスの1人にそう言われて転校生は梓の前で膝をついた。