暗黒ギフト1

仕方のないことだと梓は思った。


けれどそのときの女子たちの結託力は凄まじかった。


転校生を教室中央に座らせて理由を問い詰めて謝罪させる。


誰々さんに迷惑をかけた。


誰々ちゃんにも迷惑をかけた。


そう言ってはその1人1人へ向けて謝らせた。


さすがにやりすぎではないかと思った。


誰かに報告したほうが良いかも知れない。


担任の先生か、他の先生でもいい。


このままじゃ可愛そうだ。


勇気を出して席から立ち上がったとき、輪の中にいた女子生徒が振り向いた。


梓と視線がぶつかり、動きを止める。


「そう言えば昨日は秋吉さんも掃除当番だったよね? 体が弱いのに、残って掃除してくれたよね?」


そう言われて梓は戸惑った。