暗黒ギフト1

転校初日から自分たちとは違う制服を着てきたこと。


それで一躍悪い意味で有名になってしまったのだ。


最初転校生にヤジを飛ばしていたのは男子だったけれど、それはすぐに女子にも電波した。


特に女子たちは群れをなしてエスカレートしやすい。


あっという間に転校生に対する態度はイジメと呼べるものになっていた。


その頃梓は調子がよくて毎日のように学校に来ることができていたけれど、未だにクラスで1人ぼっちだった。


誰かと話したい。


誰かと遊びたい。


そんな気持ちばかりが膨らんでいく。


勇気を出してあの転校生に話しかけてみようかとも思った。


けれどクラスメートからイジられている彼女に話しかける勇気がでなかった。


そんな、ある日のことだった。


女子生徒たちが転校生を取り囲んで怒鳴っている。


らくがき帳を取り出して絵を書きながらも聞き耳を立てていて梓は、昨日転校生が掃除当番だったのに、忘れてしまってそのまま帰ったのだということがわかった。


転校して間もないし、きっと誰も教えてくれなかったのだろう。