暗黒ギフト1

水泳の授業だって受けてみたい。


けれどそれは言えなかった。


『じゃあやってみなよ』と言われるのがオチだ。


梓がどうして体育を休むのか、学校を休むのかわかっているのに、納得はできていないみたいだ。


先生たちも一生懸命やってくれているけれど、幼い子どもたちに理解させることは難しい。


梓は先生に贔屓されているのだと思われていた。


久しぶりに学校に来ることができて嬉しかったけれど、梓の気持ちはどんどん沈んでいってしまう。


6年のお姉さんと同じ教室で授業を受けることができればいいのに。


そんな風に思っていたある日のことだった。


「こんな時期だけど、転校生を紹介する」


担任の先生につれて来られたのは1人の女子生徒だった。


その子の親は転勤族と言って、色々な地域に引っ越しをしながら仕事をする人らしくて、今回はこの街に引っ越してきたらしい。


「どうして制服なんですか?」