海斗はすべての可能性を消すために、おずおずと言葉を続けた。


いくら学校に来ていなくても、友人の1人くらいはいるはずだ。


だって、1年以上前までは学校に来ることができていたのだから。


しかし、梓は左右に首を振った。


「いいえ、私に友達はいないの」


その言葉に悲壮感はなかった。


悲しんでいる様子もなく、ただ淡々と、過去の出来事を思い出す。


「私に友達はいない。私のせいで、いなくなった――」