どうにか事故を防ぐことのできた2人は秋吉の屋敷へと向かったみることにした。


あの男が未来人であるかどうかも気になるし、今回みたいな危ないことはもう二度とごめんだった。


今回のような時にはあの男本人が動くべきだと、直談判しに来たのだ。


「海斗がチャイム押せよ」


大きな屋敷の前まで来て、健が海斗の背中を押す。


「健が押せよ」


同じように海斗は健の背中を押し返す。


「海斗が押せってば」


「健が押せよ」


お互いの背中をぐいぐい押しながら、文字通りの押し問答をしていると、カチャッと音がして玄関が開いた。


2人は同時にピシッと背筋を伸ばす。


玄関から出てきたのはあの黒スーツの男だった。