「あ、あぁ」


海斗の背中に冷や汗が流れていく。


この学校は生徒数が多いので、倉庫はあちこちに存在している。


その大半が使われなくなったものを置いておく倉庫なのだが、下級生を助けた倉庫は下級生用のボールや縄跳びを保管してある場所だった。


上級生たちはまず立ち寄らない場所だ。


「とにかく、なんでもないから」


これ以上話をしているとボロが出てしまう。


そう感じた海斗はそそくさとその場を去ったのだった。