海斗は適当にやり過ごすつもりで突っぱねる。


しかしメガネ女子は引かなかった。


「なにかあったのなら、私相談に乗るよ?」


「別にいいって」


メガネ女子に相談したところで解決するような問題じゃない。


巻き込んでしまうことで危険が及ぶことだってある。


「なによ、私が女子だからそうやって突っぱねてるの?」


頬を膨らませて文句を言う。


あぁ、めんどくさいな。


そんな気持ちがつい顔に出ていたようで、メガネ女子の表情が曇った。


「最近2人カッコイイよね。色々問題を発見して解決してさ。この前下級生の子が倉庫に閉じ込められたのだって、よく見つけてあげられたよね」


そう言われて海斗と健は目を見交わせた。


もしかしてなにか感づいているのではないかと思ったのだ。


「あんなのただの偶然だよ。倉庫の前を通ったら声が聞こえてきたんだ」


海斗の説明に、それでもメガネ女子は納得してない様子だ。


「下級生しか使わない倉庫の前を偶然通ったの?」