…ぅ。ふ……う。

なんか,聞こえる。

嫌じゃない。
もっと聞いていたい声。



「もうっ。風ってば起きてよ……」



大きくなく,怒ってるわけでもなく。
ただ困ったような声に,俺は覚醒する。



「はる?! どうした…の」



いや,俺か。

起き上がってみて状況を把握した。



「おはようっ。起こしちゃってごめんね。私も寝てたみたいなんだけど」



寝起き1発目のはる。

俺が起きたのを知って,嬉しそうにしている。

なんでこんな可愛いんだろう。

頭がボーッとして,はるには悪いけど全く話が入ってこない。

はる,毎朝起こしに来てくれないかなぁ。

そんなことまで思う始末。



「迷ったんだけど,黙って帰る方が風は嫌かと思って」