「ぼ、暴走族……っ?!」



……わたしの聞き間違いか。

そうだ、きっとそうだ。


まさか、そんな物騒な言葉が当たり前のように彼らの口から出てくるなんて、ありえない、よね。



「そうそう。びっくりさせちゃうかなって思ったんだけど、すずかちゃんには早めに言っておこうと思ってさ」


赤坂さんの表情は、嘘をついているように思えない。

それに、周りのみんなの表情だって、同じだ。



ふらっとめまいがした。

不良高校だとは思っていたけれど、さすがにそれは予想していなかったよ……。



「わ、わたしの聞き間違いじゃなくて……?」


おそるおそる問いかける。

期待と諦めが混じったわたしの言葉に、赤坂さんは気まずそうにうなずいた。



「いやあ、まあそうなるよね。うん、俺ら暴走族やってんの」



苦笑いを浮かべる赤坂さんの言葉に、呆気にとられる。


げ、幻聴じゃなかった……。