茉央さんは、とてもまっすぐな人だ。
眩しいくらいで、追いかけたくなる。
そんなわたしたちのやりとりをずっと黙って傍観していた赤坂さんが、口をもぐもぐさせながら声を出した。
「茉央の女のタイプは、“瞳が綺麗な人”だもんね?」
久しぶりに口を開いたと思ったら、なんてことを。
茶化すように茉央さんの背中をつついているけれど、さきほどもらったメロンパンを早速食べているせいか様になっていない。
でもちょっとだけ期待しちゃう。
もしかしたら、わたし、茉央さんの恋愛対象になっているのかな……。
コンプレックスだともいえる自分の瞳を褒めてくれた茉央さんは、すでにわたしのなかで特別な存在になりつつあった。
……ほんっと、単純なんだけどね。
勝手にこちらがドキドキしながら茉央さんの返答を待つ。
こちらの気持ちなどつゆ知らず、彼はたいして動揺もせず、平然とうなずいた。



