「……えっと、ここでまちがいない、よね?」



目の前には、威圧感のあるドンと構える灰色の校舎。

廃墟のような、古びた洋館のような、あやしい雰囲気を漂わせている。


本当にこのなかに生徒がいるのか、と疑うほどの暗い雰囲気も持ち合わせていて。


思っていたイメージと違いすぎて戸惑いが隠せない。

ここじゃなかったのかな……?


不思議に思って、校舎の門に近づいて学校名を確認する。


楼炎(ろうえん)高等学校】



少し門に傷が多いのが気になったけれど、歴史のある学校なのかもしれない。


とりあえず、ここは目的の地。

しっかりと楼炎高校と刻まれている所をじーっと見つめて首を傾げる。



うん、まちがいないはずなんだけど……。