「明菜さぁ…俺に気を遣いすぎだよ」

貴一はそう言うけれど、

「そんなことないよ?むしろ、甘えすぎだと思ってる」

「前にも言ったけど、明菜になら、どれだけでも甘えてもらいたい。遠慮されるほうが悲しいね」

「貴一…」

「疲れてるだろ?次の休み、天気がよかったら、貴明も連れて散歩にでも行こう」

夢を追う貴一のことが好きだと思っていたけれど、私はきっと、どんな貴一でも好きなのだと、改めて感じた。

「ありがとね…」


そして、私の実家を新婚夫婦と赤ん坊の新居にすべく、貴一はお隣からプチ引っ越しをしたり、思い切って模様替えをし、夫婦の寝室となった部屋には、クイーンサイズベッドがドーン!と置かれた。