両親と、後藤夫妻が長い挨拶を交わしている間、私は少年に声をかけた。

「何年生?」

「今度、中1だよ。君は?」

「一緒だね!」

そう答えると、少年はとても嬉しそうに、

「よかった。俺、あんまりすぐ周りに馴染めるほうじゃないし、一人でも知ってる子が居てくれると心強いよ」

「大丈夫。私も小学校入学前に同じ経験してるんだ。話す言葉も違うし、小さいなりにもかなり戸惑ったのを憶えてるから」

すると、少年は、

「話す言葉って…もしかして帰国子女?」

そんなことをいうから、私は思わず笑ってしまった。