私は動けないまま、ふたりを見つめる。

バタンとドアが閉まった音がして、ようやく我に返った。

ルイスさんの様子が、おかしかった……。

私がいない間に……どんな話を、したんだろう……。

ひとりで教室に戻ってから、次の授業の支度をする。

先生が来るまで少し時間がありそうで、私は恐る恐る後ろの席の星蘭を見た。

もうみんな自分の席についていて、星蘭もひとりでスマートフォンをいじっていたから、意を決して声をかける。



「ねえ、星蘭……さっきルイスさんに何か言った……?」

「……」

「せ、星蘭……?」



返事がなくてもう一度名前を呼ぶと、突然俯いた星蘭。



「お姉ちゃん、どうしてそんなこと言うの……?」



え?