魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

星蘭が、じっと私を睨んでいる。



「ごめん、なさい……」



結局、そう言うしかなかった。

ルイスさんのせっかくの好意を、無下にしてしまった……。


傷つけてしまったかもしれない……。

悲しくて、涙を堪えるように下唇を噛む。



「そうか……気にしなくていい。用事があるなら済ませて来い」



少しだけ、ルイスさんの声のトーンが下がった気がした。



「は、はい……失礼します……」



従うしかない私は、それだけ言って部屋を出た。

どうすればよかったんだろう……。

あの家から追い出されたら……居場所がない……。

まだ未成年で、家を借りることもできなければ、働くこともできない。

星蘭とお母さんには……絶対に逆らえない。