魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

これが、食堂のメニュー……?



「あたし、ビーフシチューは大大大好きなんです! やったぁ……!」



星蘭は食べたことがあるのか、大喜びしていた。

ビーフシチュー……。私は食べたことがないから、どんな味がするのかわからないけど、とても食欲をそそられるいい匂いがした。



「姉妹なのに、ずいぶん性格が違うな」



ドキッと、心臓が嫌な音を立てる。



「ええっ……ご、ごめんなさい、嬉しくてはしゃぎすぎちゃいました……」

「別にいい。素直な奴は嫌いじゃない」



あ……。

ルイスさんに、面白くない奴だと思われたかもしれない……。

星蘭は愛嬌があって、反応も愛らしいから……ルイスさんもきっと、星蘭のほうが可愛いって思ったはずだ。

不安を抱えたまま、食事を始める。