「……星蘭ちゃんはこんなにいい子なのに、お姉ちゃんは真逆なんでしょ?」



びくっと、肩が跳ねそうになった。



「こんなに優しい星蘭ちゃんをいじめるなんて、性格悪すぎるよね」

「美人だから、高飛車に育ったんだろ」

「あはは……お姉ちゃんに聞かれたら困るから、この話はやめよう?」



星蘭が、困ったように笑っている。



「何か言われたら、俺たちに言ってね。星蘭ちゃんのこと守るから」



彼らが正義のヒーローのような立ち位置なら……私は悪役になるのかな。



「そんな相手が級長の婚約者になって、大丈夫なの……?」



こそこそと話している声が聞こえて、本の内容が頭に入ってこない。

普段なら気にしないふりをするけど、級長という単語が聞こえたから。