その日も放課後になり、少しの間図書室にこもった。

学園や、魔族について、まだまだ知らないことばかりだから、少しでも知識を得ようといろんな本を読む。

婚約制度についても、知らないことばかり書いてあり、私は夢中で読み進めた。

ルイスさんが言っていた通り、この学園では恋人=婚約者という扱いになるんだ……告白は、すなわち婚約の申し込みにあたる……か。

……え? 人間から、魔族に婚約を申し込むことはできない……?

書かれてある事実に、驚くと同時にハッとした。

そういえば……ルイスさんは、魔族なの、かな……?

その本の続きに目を走らすと、『婚約を申し込めるのは、魔族から人間にのみ』と書かれてあった。

それはつまり――ルイスさんは、魔族だという証明だ。

そっか……そうだよね。級長に選ばれるってことは、それだけ能力を評価されているってことで……。

魔族は、人間よりも優れた能力を持っているそうだから、普通に考えればルイスさんが魔族であるのは当然のことだ。

まさか……ルイスさんもだったなんて……。

見た目は人間と何ひとつ変わらないから、気づかなかった。

いや……ルイスさんの見た目は人間離れした美しさだから、魔族だと言われたほうがむしろ納得はできるかもしれない。