魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

気になって聞けば、星蘭は鬱陶しそうに目を細めた。



「どうしてあたしがあんたに教えてあげなきゃいけないの? 自分で調べれば?」



機嫌を損ねてしまったようで、すぐに「ごめんね」と謝った。

魔族……。

知らないことが怖くなってきて、落ち着かない。

そのことと婚約のことで頭がいっぱいで……その日はあまり眠れなかった。








翌朝。本当は放課後に図書室に行こうと思っていたけど、いてもたってもいられなくて、いつもより早く起きて学校に向かった。

HRが始まる1時間前に学校について、図書室に向かう。

昨日、星蘭が言っていた、魔族のことを調べるため。

中には受付の人だけが座っていて、他には誰もいなかった。