「それじゃあ、これはもらうわね、お姉ちゃん」



あっ……。

私の首から、冷たい感触がなくなった。

なんとか首を動かして星蘭のほうを見ると、すずらんのネックレスを持って不敵に微笑んでいる。

ま、って……。

お願い……。

部屋から去っていく、無情な足音だけが聞こえた。



『お前に何か贈りたかった』

『こうして俺の隣にいて、笑ってくれるだけでいい』



フードさんの優しい声が、脳裏をよぎった。



『やっぱり、お前によく似合う』

「フード、さん……」



初めてもらった、大切なプレゼントだったのに……。

もう……フードさんに、顔向けできない……。

あなたがくれたプレゼントさえ守れない、私なんか……。



「……ごめん、んなさい……」