魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

そんな、優しい言葉ばかり、くれるんだろう……。



「……困るか?」

「ち、違います……!」



この人だけには、誤解されたくない。

勘違いがないように、ゆっくりと気持ちを伝えた。



「うれ、しいです……」



フードさんが私にしてくれること、全部が嬉しい。

家族からいらない子だと言われ続けてきた。自分が何の価値もない人間だということも、もう十分理解している。

なのに、フードさんは誰もくれなかった言葉や感情を惜しげもなくくれるから……混乱して頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう。

フードさんには私が、どんなふうに見えているんだろう。

誰もがいらないと口を揃える私に……どうしてここまで親切にしてくれるの……?



「じっとしていろ」