魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

「そういうわけじゃ……ただ、どうして……」

「お前に何か贈りたかった」



私に……?

そんな……。

私みたいな人間に、贈り物をしたかったと言ってくれるフードさんに、胸が痛んだ。

悲しくてではなくて……嬉しすぎて。



「でも、やっぱり……いただけません、こんな高価なもの……」



フードさんの気持ちは、すごくすごく嬉しい。

だけど……、私は~こんなものをもらっていい立場じゃない。



「大したものじゃない」

「私……お返しするものが何も……」



何より、私は何もあげられないから……それが心苦しかった。

フードさんは私を見て、口元を緩めた。



「こうして俺の隣にいて、笑ってくれるだけでいい」



どうして……。